愛せずは愛されず

最近、身近の同年代が次々に結婚していく。こういうのを見ていると、自分もそれだけ歳を取ったんだと実感する。そんな自分自身はというと、数年という長い期間「彼女」というパートナーが存在していない上に、「恋愛」というものに恐怖感を持ってしまっているため、こういった結婚話を目の当たりにすると、その人たちの幸せを願うと共にその反面、正直少し凹んでしまう。
幸せにはなりたいと思う。でも「恋愛」というものの周りには、「親友」という存在まで信じられなくなってしまったという実体験のある、恐ろしいものがあることを知ってしまった。「死」を目の前にした程までの辛さを味わって来てしまったために、もう人を好きになりたいと思えなくなってしまった。好きになれない。
愛することが出来ないのだから、愛されることも当然無いだろう。仮に愛されたとしても、その人を愛する自信というものが無い。表面上は問題無くても、心の何処かに過去のあの辛さが存在している限り、100%にはなりきれない。そんな中途半端な愛し方なんて絶対嫌だし。
ただ、「愛する」ことは出来なくても、せめて「優しさ」だけは持てる人間になりたいとは思う。「愛される」より「慕われる」人間に。人が苦しんでいるのを知ってか知らずか、そんな相手を目の前に惚気るような人間にはなりたくない。まだこんなことを言っているようでは「優しさ」なんて欠片も存在しない、ただの「性格の悪い人間」でしかないのだが。
俺程性格の悪い人間なんて、そうは居ないだろう。