忘れ雪 / 新堂冬樹

忘れ雪

忘れ雪

獣医を目指す青年と心に傷を負った少女。1匹の犬を通して出会った2人は、将来の約束をする。8年後、再び再会するものの、少女の想いに反して青年はそのことを覚えていなかった、何かを感じつつも・・・。そして少女が姿を消した時、全てを知った青年は自分の全てを捨ててまで少女を探す。
完全なる「純愛」かと思いきや、「ミステリ」要素も含まれ、物語は先の全く読めない方向へ進む。自分の想いがなかなか相手に通じない複数の男女。少々ドロドロした感も。
性別は逆だが、「静香」の人物像・性格が驚くほどに今の自分と重なっていて、なんだか自分自身の未来を見た気がして少し怖かった。今後、自己紹介をする時にはこの本を紹介し「静香を男にした感じ、そんな性格です」とでも言おうか。それほどまでに自分を見ているようで・・・。